【ブログ】精神・発達障害「やりながら覚えることが不安」
最近の企業は効率化を図るため事前研修を省き、OJTでスキルを身につけて行くところも少なくありません。
※OJTとは
On the Job Trainingの略で、職場での実務を通じて知識やスキルを習得する育成手法です。新入社員や未経験者に対して、上司や先輩社員が実際に業務を教えながら、実践的なスキルを身につけることを目指します。
しかしながら精神障害や発達障害を持つ方の中には、やりながら覚えることを苦手とする方や不安に感じる方もいらっしゃいます。

理由は2種類
不安な方
初めて行うことには特に不安が強く、失敗したらどうしよう、間違えて怒られたらどうしようと不安に考えてしまいます。そのため、事前にどんなことをするのか情報が欲しくなり、出来れば事前に座学で予習をして安心したいからです。
苦手な方
手を使って作業することと、頭を使って覚えることの2つ同時行うということを苦手とするからです。
作業中に説明をされても全く頭に入ってこないため、OJTをおこなってもなかなか上達していかないのです。
しかし、座学が生かせない現実も多い
実際の仕事では、以下のような理由で 座学と現場のギャップ が顕著になります
- 職場ごとのルール・人間関係・現場対応が大きく異なる
→ テキスト通りにいかない場面がほとんどです。 - 臨機応変な判断・状況対応力が求められる
→ これらは実際に経験しながらでないと身につきにくいです。
ではどうしたらいいか?
- 座学だけでは限界があるが、否定すべきではない
→ 座学で得た知識が「心の準備」や「背景理解」になっている場合もあるため、それを完全に否定する必要はないと思います。 - 「安心して失敗できる環境」をOJTで用意することが大事
→ 指導者が「最初は失敗して当然」「できなくてもサポートがある」と伝えることで、不安を和らげることが可能です。 - 「段階的に実践するOJT」の導入
→ いきなり本番に放り込むのではなく、「見学 → 模倣 → 実施」と段階を踏んだ指導方法が有効です - OJTと座学を連動させる工夫
→ 「この作業をする前に、この資料を読んでおこう」など、OJTと座学をセットにすると効果的です。
まとめ
完璧主義やゼロ百の思考を持った方は特に、失敗を強く恐れます。
そのため事前に準備を完璧にしてから望みたいと考える傾向にあります。
一般就労では難しいかもしれませんが、障害者就労であれば段階的に進めていくような配慮を得られたり、OJTが苦手ということを伝え、別の方法を一緒に模索してくれる場合もありますので、会社へしっかり伝えていくことが重要です。
