【ブログ】統合失調症「会話の返答に時間がかかる」
統合失調症を発症した方の中には、認知機能低下症状が見られる方もいらっしゃるようです。
認知機能低下とは、よく耳にする「認知症」とは全く違うもので、
「注意力、記憶力、計画・段取りなどの実行機能」が低下する障害のことを言います。
認知機能低下の症状は人によって異なりますが、
今回は「会話の返答に時間がかかる」症状についてみてみようと思います。
統合失調症の認知機能障害では、「知能が低下した」というわけではなく、
- 情報を受け取る
- 内容を理解する
- 頭の中で整理する
- 返答を考える
- 言葉として出力する
という一連の処理に時間がかかることがあるため、「分かっているのかな?」とか「ちゃんと聞こえている?」などと受け止められやすいことがあります。
もう少し具体的に分解してみます。
質問
↓
質問内容を理解する
↓
関連する記憶や経験を探す
↓
何を答えるか決める
↓
言葉に変換する
↓
発話する
という流れがあります。
通常であれば、この作業に対し特に気にするまもなく、言葉を発することが出来るかと思います。
しかし、認知機能低下症状のある場合、この手順のどこかで処理速度が著しく低下してしまい、結果として会話の返答に時間がかかってしまうと考えます。
会話の返答に時間がかかってしまう場合、どの部分に対して処理速度が低下してしまっているかは人によって違うと思います。

例えば、
①「頭の中を整理するのに時間がかかってしまう」場合
これは「実行機能」と呼ばれる能力の低下で説明されることがあります。
実行機能とは、
- 情報を整理する
- 優先順位をつける
- 考えをまとめる
- 行動を計画する
といった能力です。
前頭葉の働きと深く関係しているため、統合失調症では影響を受けやすい領域とされています。
仕事の場合、相手に返答を待ってもらう配慮を求める以外に、自分で出来る工夫なども知っておくと良いと思います。
この症状の場合はメモがオススメです。
頭の中だけで整理しようとすると、焦ったり、こんがらがったりして余計に時間がかかってしまいます。
紙とペン(タブレットなどでもOK)を常に持ち歩き、頭に浮かんだ情報を箇条書きにするだけでも、考えを整理するのが楽になるかと思います。
② 「浮かんだ思考を言葉に変換するのに時間がかかる」場合
統合失調症では「思考の流れ」と「言語化」の連携がスムーズでなくなることがあります。
本人の頭の中には考えが存在していても、
- 適切な言葉が出てこない
- 話の順番を組み立てられない
- どう説明していいか分からない
そのため沈黙が長くなることがあります。
この症状を持つ方は、うまく話そうとしないのが大切だと思います。
「頭の中でまとめて、上手に返答をしなくてはいけない」という考えは一旦なくし、思いついた単語を相手に伝えたり、結論だけ先に答え、詳細は後からゆっくり単語ずつでもいいので、伝えるというやり方を試してみてください。
まとめ
統合失調症の症状には個人差があります。
まずは自己理解から始めましょう。
症状や特性を知り、受け止める。
そして「相手にもらう配慮」+「自分で出来る工夫」を併せ持つことができれば、長く安定して働き続けることが可能になると思います。
気を付けることは、病気を発症する前のようにやろうとして無理をしないことです。
病気を受け止めるまでに時間がかかるかもしれませんが、長く安定して働き続けるためにとても需要なことだと思います。
ゆっくりでいいので、少しずつ前に進んでみてください。


