【ブログ】精神・発達障害「一度にいろいろ言われると混乱します」
ソーシャルスキルトレーニングの講座を行っていると、表題のことを苦手とされている方は非常に多いです。
実際にアルバイトや初めての就職にて大変な思いをしたなど、実際に経験をして知る方も少なくないようです。
そんな方へのアドバイスなどまとめてみました。
なぜ「一度に複数のこと」が苦手なのか?
① ワーキングメモリの容量が小さい
発達障害(特にADHDやASD)や精神障害のある方は、「ワーキングメモリ(作業記憶)」と呼ばれる一時的な情報の保持・処理能力が弱いことがあります。 これは、頭の中で「今何をしていて、次に何をするか」を整理する力です。 例:「資料を探しながら、電話対応して、メモを取る」などはかなり高度な作業です。
② 情報処理のスピードがゆっくり
同時に複数の情報を受け取ると、それぞれの内容を理解して整理するのに時間がかかり、頭の中が混乱します。 結果的に「パニックになる」「今やっていた作業が飛んでしまう」といった状態になりやすいです。
③ ストレス耐性・感覚の過敏さ
精神的な疾患や発達特性のある方は、突然の声かけや予定変更が強いストレスになります。 マルチタスク的な状況は、「コントロールできないことが増える」という意味でも不安を引き起こします。

対策方法:本人にも職場にもできる工夫
【1】タスクは「一つずつ」「見える化」する
指示は一度に1つずつ伝える 書いたメモやタスクボードで「視覚的」に伝えると安心感がある 音声+メモの併用も効果的 例:「今はこれをやってください。終わったらこれです」と順番で提示
【2】切り替えには「区切り」が必要
「〇〇が終わったら教えてください」と伝え、本人が気持ちを切り替えられる時間を与える 作業の途中で割り込まないように配慮する 途中で別の仕事を頼むときは「今のが終わってからでいいです」と前置きするだけでも大きな違い
【3】ルーチン化と予測可能性
毎日の仕事の流れが決まっていると、本人は安心して集中できる スケジュールやToDoリストで「次に何をするか」が見えていることが重要 突発的な作業がある場合は、事前に予告しておくと混乱を防げる
【4】作業環境を整える
話しかけが多い環境、電話の多い場所は注意 集中できる「静かな場所」「1人の作業時間」を作るのも有効
まとめ
まずはマルチタスクの多くなる業種は避けるべきだと思います。
特に接客業やサービス業はマルチタスクになりやすいと思います。なぜならピークタイムがあるからです。ピークタイムになると、必然的に今いるスタッフの数では手が回らなくなります、そうなると一人に対する業務量が一気に増えるため、マルチタスクになってしまうのです。
したがって、ピークタイムの発生しないような業務を選ぶべきかと思います。
一日通して、同じリズムで仕事できるような業種が安心できるのではないでしょうか?
