【ブログ】発達障害「口頭での指示が苦手」
発達障害のある方は口頭での指示が苦手な方は非常に多いです。
今回は、なぜ口頭での指示が苦手なのか?職場などで工夫できることはどんなことか?
これらに絞って書いていこうと思います。
なぜ口頭での指示が苦手なのか
1. ワーキングメモリの特性
発達障害、とくに ADHDやLD(学習障害) では「ワーキングメモリ(作業記憶)」が弱いことが多いです。
ワーキングメモリは「一時的に頭の中で情報を保持して処理する力」ですが、これが弱いと、
- 長い説明を覚えていられない
- 複数の手順を頭に残せない
といったことが起きます。
2. 聴覚処理のしづらさ
ASD(自閉スペクトラム症) の方は「聞いた情報を整理する力」が弱い場合があります。相手の話が早いと追いつけなかったり、要点と不要な部分を区別しにくかったりします。結果として、聞き漏れや誤解が生じやすいのです。
3. あいまいな表現が苦手なため
抽象的な指示(例:「もう少しきれいにして」)は、具体的なイメージに結びつけにくい人が多いです。
言葉だけではなく「見本・図・文字情報」があった方が理解しやすいケースが多いです。
4. 緊張やプレッシャー
人前で指示を受ける場面だと緊張して、内容が頭に入ってこないこともあります。 「失敗したらどうしよう」と思うとさらに処理力が落ち、聞いた内容を忘れてしまうのです。

口頭での指示を理解しやすくする工夫・配慮例
1,2に対する工夫と配慮
相手が話した言葉を理解するのに時間がかかるため、話した内容を頭の中で咀嚼している間に、次の言葉が出てきてしまい追いつけなくなってしまうのです。
そこでメモを取ろうとしても、追い付かずにメモも取れなくなるという感じ。
ではどうしたらいいか?
- 一つずつ指示をもらうように配慮していただきましょう。
- 書面で指示をもらう、もしくは1日の作業をまとめて書面にしてもらい、そのスケジュール通りに仕事を行う。
- もらった指示を必ず復唱して確認する。
メモを取らず、暗記しようとすることは避けた方がいいです。
暗記をすることが素晴らしいことではありません。もらった指示をしっかり行うことが重要なので、ちゃんとメモを取ったり、書面で指示をもらって仕事をしましょう。
3に対する工夫と配慮
事前にあいまいな表現を避けてもらうよう配慮をいただきましょう。
また、新しいことを教えてもらう場合は実際にやって見せてもらったり、図や写真で解説してもらうようにもお願いしてみて下さい。
一番大切なことは、自分もあいまいな返事をしないことです。
理解できなかった場合は、もう一度具体的に教えて下さいと伝えましょう。
4に対する工夫と配慮
緊張からプレッシャーを感じやすい特性があることを上司や先輩に伝えましょう。
もし具体的な特性を持っている場合は、それもしっかり伝えることが大切です。
例えば、
- 大きな声で指示を出されると緊張する
- 大勢の前で指示を出されるとプレッシャーになる
- ノルマや時間制限のある仕事だと緊張してしまう
自分の特性を理解して、上司や先輩に伝えることはとても大切なことです。
まとめ
ただ「口頭での指示が苦手」と言っても様々な個性や特性がありますので、まずは自分の特性をしっかり把握して、相手に伝えられるよう準備しましょう。
また、忙しい職場(飲食店など)や接客業は避けた方が無難だと思います。
お客様からは配慮してもらうことはできません。
普段の生活の中、学生時代やアルバイト経験などを思い出して、自分の特性についてしっかりまとめておきましょう。
