【ブログ】精神・発達障害「入浴するのがおっくう」

特にうつ症状のある方などは倦怠感が強く、何事にもやる気が出なかったりします。
そんな方には、一日の中で入浴が最も面倒な作業に感じるようです。
では具体的にどんなことが原因で入浴がおっくうになってしまうのでしょう

1. 精神的・身体的なハードル

うつ病や統合失調症などでは、「何もする気力がわかない」「体を動かすのが億劫」といった症状(抑うつ、無気力、陰性症状)があり、入浴どころか日常動作全般が困難になることがあります。 不安障害がある場合は、「お風呂で倒れたらどうしよう」「水が怖い」といった恐怖や強迫観念が関与することもあります。

2. 発達障害に特有の感覚過敏・ルーティン

自閉スペクトラム症(ASD)の方は、感覚過敏(水の音・温度・シャワーの刺激など)が強く、入浴が苦痛に感じられる場合があります。 こだわり行動やルーティンが崩れると強い不安を感じる方もおり、「今はそのタイミングじゃない」「決めた手順でできないと無理」ということがあります。

3. 実行機能の困難

ADHDやASDでは「やることはわかっているけど、段取りを組んで行動に移す力(実行機能)が弱い」ことがあります。 「お風呂を沸かす→服を脱ぐ→入る→洗う→出る→拭く→着替える」までが、一つのまとまりとして処理できず、面倒や混乱を感じやすいのです。

4. 環境的・社会的要因

一人暮らしで支援がなく、生活全体が乱れている。
入浴に使う設備が古くて使いづらい、寒い、暗いなどの環境要因。 「どうせ誰にも会わないし」「もう清潔さを保つ意味がない」といった自己否定感もあるかもしれません。

ではなぜ入浴をする必要があるのか?もしくは入浴しなくてはならないのか?
入浴するメリットについてまとめます。

1.生活リズムが整う

毎日同じ時間に入浴時間を組み込むことで、生活リズムにメリハリを作ることが出来ます。
入浴時間を中心に就寝時間が決まったり、夕飯の時間が決まったりしやすいです。
そうすることで、何時までに夕飯をすませないといけないなど、自分の行動に対しメリハリをつけることが出来ますよ。

2.清潔感を保てる

入浴をしないと汗や汚れなどが身体に付着したままになり、嫌な臭いが発生してしまいます。お洗濯をしていない洋服を着続けるようなものです。ここで重要なことは、入浴をしないと自分では臭いをほとんど感じないということです。
自分では感じていなくても、周りの人は嫌な臭いを感じ取ってしまい、あなたに対して悪い印象がついてしまうかもしれません。
社会へ出て働き続けるためには清潔感を保つことはとても大切なのです。

3.睡眠の質が向上する

入浴は一日の疲れを癒す大切なイベントとしてとらえている方も多いコンテンツです。
物理的な汚れを落とすのも大事ですが、お風呂に入ることで心も洗い流されて気持ちよくなるという方も少なくありません。心身ともに気持ちのいい状態で就寝すれば、睡眠の質も向上しやすいですよ。

まとめ

社会へ出て長く安定して働き続けるために、入浴は欠かせないルーティンだと思います。まだ精神的に低下状態が続いており、倦怠感の強い状態だとなかなか実行に移せないと思いますが、入浴は体調を取り戻すための重要なキーになるかもしれません。

自分だけで始めることが難しい場合は、家族に協力してもらったり、医師の協力や福祉施設に協力してもらうなどして改善していく方向で検討してみて下さい。

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