【ブログ】精神・発達障害「周りの話し声が自分の悪口に聞こえる」

周りの人の話し声は正確に聞き取ることはできませんが、断片的に単語だけ聞こえてくることはあるかと思います。
そんな断片的なワードだけを聞き、
「自分のことを話しているのではないか?」
「自分の悪口を言われているのではないか?」
などと捉えてしまい、メンタルが低下してしまう症状を持っている方がいらっしゃいます。

なぜ自分の悪口に聴こえてしまうのか?

原因は個々に違うと思いますが、以下の様な原因や背景が考えられます。

1. 統合失調症

特徴的な症状:幻聴(実際にはない声が聞こえる)、被害妄想、自分が監視されていると感じるなど。後ろから誰かにつけられていると感じるなど。 「悪口が聞こえる」ケースでは、周囲の声が実際には普通の会話であっても、「自分を責めている」「笑っているのは自分を馬鹿にしている」などと受け取ってしまうことがあります。

2. 発達障害(自閉スペクトラム症など)+二次障害

発達障害を持つ方が、過去のいじめ経験やコミュニケーションの困難さから自信を失い、対人不安や過敏さが強くなることで、被害的な解釈をしやすくなることがあります。 これは二次障害(うつや不安障害)として現れる場合があります。

3. うつ病や不安障害

強い自己否定感や不安感から、周囲の何気ない言動を悪意あるものと解釈してしまうケースがあります。
特に不安障害の方は、何かと悪い方向へ捉えやすいです。

4. ストレスやトラウマ

強いストレスや過去のトラウマ(いじめ・ネグレクト・パワハラなど)によって、思考が過敏になり、防衛的になってしまうことで、周囲の話し声を悪意と受け取りやすくなることがあります。

対処法

1. 専門機関の受診

精神科や心療内科での診断・治療が第一です。幻聴や妄想が疑われる場合は、適切な薬物療法(抗精神病薬など)で症状が軽減する可能性があります。

2. カウンセリング・心理療法

認知行動療法(CBT)などにより、「本当に悪口なのか?」「別の可能性はないか?」といった思考の見直しをサポートすることが可能です。 過去のトラウマ体験のケアにも有効です。

3. 自分の特性に合った仕事選び

症状によって違ってくると思いますが、数人のチームで協力しながら業務を行う仕事よりも一人で黙々と出来るような仕事の方がいいかもしれません。
一般的な事務職ですと、オフィスには人の話し声が常に聞こえる状況ですので、静かな環境、もしくは工場の様に人の話し声があまりしないような場所で働く方が落ち着けるかもしれないですね。
また在宅勤務を視野に入れてもいいと思います。

まとめ

病気や障害の症状によってそのように聴こえているという理解や自覚を持つことが大切です。
そして自分に合った対処法をかかりつけ医師や福祉施設の支援員などに相談し、落ち着いて対処できるような体制づくりをしていけば心配や不安も減ってくると思います。

就職をして、仕事にも慣れ社会に認められていると感じられるようになれば、自分に自信がついてきて少しずつ、周りの話し声にも耐性が付き、悪口を言っているように聞こえなくなってくると思います。

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