【ブログ】精神・発達障害「親なき後の生活について考える」

耳の痛い話かもしれませんが、出来るだけ早めに考えておきたいことかと思います。

就職中の方も、まだこれから就職される方など個々の状況は違えども、いつかは独り立ちしなくてはならないときがやってきます。
何も準備せずにその時を迎えてしまうのと、準備をしておくのとでは、その後の生活に大きく影響が出てしまいます。
個人の状況や心境に応じた対応方法や考え方などをアドバイスしてみようと思います。

① 現在働いているが収入が少なく親亡き後、一人で生活していけるか心配

【アドバイス】
福祉制度の活用を検討:障害年金や生活保護、就労継続支援B型・A型など、収入補填や支援が受けられる制度があります。自治体の福祉課や相談支援事業所で相談すると、具体的に使える制度がわかります。

住まいの選択肢を探る:グループホームや公営住宅、地域移行支援など、低コストで安心して暮らせる環境も検討してみましょう。

家計管理の練習を:今のうちから「収入に合わせて生活する練習」を始めておくと、将来の安心につながります。支援者や家族と一緒に家計簿をつけるのも良い方法です。

② 就職前だが、独り立ちできるか不安。就職も出来るか不安

【アドバイス】
ステップを分けて考える:「いきなり一人暮らし・正社員就職」ではなく、短時間バイト → 就労移行支援 → 実習 → 就職、という段階的な方法もあります。

就労移行支援の利用を検討:自分に合った仕事を探し、職場でのコミュニケーションなども訓練できます。就職後の職場定着支援もあるため安心です。

自己理解を深める:障害特性を知り、配慮してもらいたいことを整理することで、「働くイメージ」が湧きやすくなります。

③ ひきこもり中で将来のことなんて考えていない

【アドバイス】
まずは「安心できる関係」を作ることから:無理に将来の話をするより、本人が「自分を否定されない」「信頼できる人がいる」と感じられる場づくりが大切です。

小さな成功体験を積む:近所への買い物に行く、1日5分だけ散歩する、支援員と話すなど、「できた」を積み重ねることで、将来に目が向いていく可能性があります。

家族・支援者自身が支援制度を学んでおく:本人がその気になるタイミングを待つ間に、親が制度や支援の選択肢を把握しておくと、後々スムーズです。

④ 両親が亡くなったら頼れる人がいないから不安

【アドバイス】
成年後見制度・任意後見契約の検討:判断力に不安がある場合に備え、金銭や契約などを第三者が支援する制度です。早めに準備すると安心です。

信頼できる支援者・機関をつくる:地域の相談支援専門員や福祉サービス、NPO法人などとのつながりを持ち、親以外の「味方」を見つけておくことが大事です。

エンディングノートの共有:親が「将来こうしてほしい」と思うことを書き残し、本人や支援者と共有しておくと、将来の見通しが立ちやすくなります。

就職してお金稼いでと楽観的に考えている
(障害理解が乏しく、働き続けられるか懸念ありの方)

【アドバイス】
「働き続ける」ことの大変さを伝える:仕事は最初よりも「続けること」の方が難しいことを、優しく具体的に伝えていく必要があります。

客観的に振り返る機会を作る:支援員や第三者が面談やグループワークを通して、自分の特性や得意・苦手に気づくサポートが効果的です。

「働きながら支援を受ける」道を紹介:障害者枠での就職や職場定着支援、就労継続支援A型など、フルタイムでなくても収入を得る方法を提示しておくと、現実的な視野が広がります。

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今すぐに準備しておくというよりは、困ったときどこに相談したらいいかを把握しておくことがとても重要です。
絶望してしまい、「何もかもダメだ」と考えてしまうかもしれませんが、いったん落ち着いたら相談できる場所へ足を運び、今後についてのアドバイスや支援をしてもらうことも大切です。

もちろん今から準備出来る方は準備していくことが大切です。
心配や不安は尽きないかもしれませんが、いざという時困らないためにも、どんな手段があるか?どこに相談すればいいか?どこに頼ればいいか?を把握しておきましょう。

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